2010年2月13日土曜日

「天使への手紙」

「アジア映画の巨匠たち」を観にシネヌーヴォへ。
残りのチケットは2枚。さて、何をみるかな。

まずは、インドネシアからガリン・ヌグロホ監督の「天使への手紙」。
古くからの慣習が残る村を舞台に、少年を取り巻く
少年が大人に素朴な問いかけるたびに、大人は言葉を濁してまう。
少年を取り巻く人々に降りかかる残酷な現実・・・。
愛する人さらには唯一の仲間、飼い馬まで奪われ、
さらに心のよりどころにしていた「天使」からの手紙も
実は身近な人によって作成されたものだと知って、絶望する。

これは神様が決めた運命。
少年は誰をうらむでもなく、ただそれを受け入れて、生きていく。
変化に流されない、こんな生き方できないよなあ。
少年が持つ凛とした誇りと鋭い感受性ゆえなんだろう。
その2つを奇跡的に失わないことが、真の「希望」の姿なんだなあ。

ストーリー以外、インドネシア風俗の描写が逸脱していました。
儀式や葬式の様子がドキュメンタリー映画のようなリアルさ。
この映画、1993年の映画なのですけれど、
隣村との戦争で使う武器が、石やりや矢、刀なんですよ。
当時は近代化の波は押し寄せながらも、まだ伝統的な生活が残っていたのでしょうね。

心にずしりとくる映画でした。

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