2010年2月8日月曜日

「マニラ・光る爪」

なにやら映画鑑賞にせいがでる今日この頃。
大阪アジアン映画祭の関連企画、「アジア映画の巨匠たち」を観にシネ・ヌーヴォへ。
韓国のキム・ギヨン監督の「下女」が観たかったのですが、
財布を忘れて電車に乗り損ねるという始末・・・。
仕方なく出直して、フィリピンのリノ・ブロッカ監督の「マニラ・光る爪」を観ることに。

70年代のマニラを舞台に、
恋人を探すために田舎から出てきた男の子が、都会の闇に飲まれていくというお話。
主人公を取り巻く人たちも社会の底辺で、その日を精一杯生きている人達ばかり
主人公の物憂げで不安気なまなざしが、否が応でもバッドエンドを予想させてしまうのです。
都会に染まれなかった純粋さゆえのバッドエンド。

2時間という長時間で、話の筋も読めてしまうにもかかわらず、
最後までスクリーンに引き込まれるのはなぜなんでしょう…。
当時のフィリピン社会を批判するメッセージが痛烈だったから?
この映画で描かれていることは、当時のフィリピンでは当たり前で
映画のレンジの中で最大限の表現なのでしょう。
そして今は…?

昔のアジア映画って華人目線の映画しか知らなかったので、
世界にこんな重厚で素晴らしい作品があることを教えてくれた今回の企画に感謝。
そういえば、昔都会と田舎の関係性について考えてた時期に
図書館で読んだ資料に当時のフィリピンの写真があったなあ・・・。

シネヌーヴォは初めてでしたが、道案内がユニークな素敵な映画館でした。
おもわず、カメラのシャッターを押したくなる九条駅周辺の町並みも新鮮。
11日にまたお伺いします!

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