2010年1月30日土曜日

「かいじゅうたちのいるところ」

小さいころ、この絵本が好きでした。(持っていなかったけど)
少年(マックス)が、いたずらな顔が最後にはおだやかな表情に戻るのですが、
子供心にはその展開がゆるせなかったのです!
なんや!お前帰ってくるのか?と憤りました。
昔から旅願望が人一倍強く、親の手を跳ね除けて家出してしまう子供でしたし、
閉塞的な田舎の保育園の雰囲気がとても苦手だったので、
旅ができるマックス少年がとてもうらやましかったのよ。
あ、周りの人に愛さ甘やかされて子供でしたので、好き勝手やっていたのです。
水木しげる先生の絵を思い出させる線だらけの絵が大好きだったなー。
こんなにもかわいい怪獣がいるんだなー。いいなー、あいたいなー。
と、自分の子供のころの姿を思い出させてくれる。

一言で言ってしまえば、面白くなかった…。
「は?」

久々に訪れた映画館だっただけに、映画に要求する満足度が高かったのでしょうか?
人の心の温かみや繊細な子供心、登場人物の表情から、うるっとくる場面もありました。
…が感動は長続きしない。
普段自分が属している社会から解放された、ドキドキ感が…寸断。
戦いとか孤独とかリアルさも織り込んではいるけれど…寸断。
展開が速く、すべて表面的にうすっぺらく感じられる。
素材を用意して、はいリミックス!この切り口、ちょっとオレ流味付けしてみました。

多分その原因は音楽。
音楽そのものはローファイ感覚溢れる良質ポップなのだけれど、
気持ちが入りかけたときにカサカサと鳴らされて興ざめ。

ここまで作った側とテンションと価値観がずれまくり、不快な映画もめずらしい。
スパイクジョーンズが監督なのですね。そういえば「マルコビッチの穴」…面白くなかった。
映像好きな人とか、奇をてらった表現が好きな人にはいいのかなー。うーん。
一緒に行った人も同じ感想、「は?」。
その人は昨日アバターを観に行ったけど、冒頭で飽きて8割方寝ていたらしい。
まあ人と感性がずれた2人なんでしょう…。

感じ方は人それぞれですし、あまりご参考にされないように。
映画は生もの。ご自身で実物を見て感じてみてください。

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